吉田修一『国宝』とは?
- 著者:吉田修一(1968年長崎市生まれ、法政大学卒。芥川賞、山本周五郎賞をはじめ文壇・大衆文学の賞を多数受賞する現代日本を代表する作家)en.wikipedia.org+15ja.wikipedia.org+15wittale.com+15
- 刊行時期:2018年9月7日、朝日新聞への連載(2017年1月1日〜2018年5月29日)を経て上下2巻(青春篇・花道篇)で単行本化amazon.com+4ja.wikipedia.org+4publications.asahi.com+4。
- 受賞歴:刊行後、2018年度芸術選奨文部科学大臣賞、2019年第14回中央公論文芸賞をダブル受賞ja.wikipedia.org+4ja.wikipedia.org+4bookwalker.jp+4。
🔍 あらすじ:任侠と梨園、二人の青年の芸の旅路
物語は1964年元旦、長崎の料亭「花丸」で発生した侠客同士の抗争の渦中から始まります。その混乱の中で産声をあげるのが、任侠の家に生まれた立花喜久雄。その類まれなる美貌が歌舞伎界の重鎮の目に留まり、上方歌舞伎の大名跡「花井家」の門を叩くことにamazon.co.jp+2cdjapan.co.jp+2kinokuniya.co.jp+2。
一方、花井家の次期継承者とされる花井俊介との出会いから、二人の青年は互いに切磋琢磨しながら、戦後昭和〜平成という激動の時代を駆け抜けます。舞台は長崎、大阪、東京へと広がり、スキャンダルや家族間の軋轢、芸能界の栄光と挫折を通じて「芸とは何か」を問いかける大河ドラマです。
💬 魅力ポイント
1. 壮大な人間ドラマ
任侠と歌舞伎という異世界出身の二人が、生き様をぶつけ合い、成長してゆく姿が丹念に追われる点。読者の声にも、「血反吐を吐きながらも芸の道を生きる彼らから目が離せない」との感想もkinokuniya.co.jp。
2. 歌舞伎文化の精緻な描写
お客様からは「まるで舞台を見ているかのよう」と歌舞伎の型や語り口、舞台裏まで入り込む表現が高く評価されています。
3. 時代を反映する背景
1960年代の高度成長期、大阪万博、バブル前夜からその後へと移ろう時代を背景に描くことで、個人の歩みが時代と共振する群像劇になっています。
📚 読者の声(抜粋)
「極道と梨園。全く異なる家に生まれた少年たちが歌舞伎で切磋琢磨…血反吐を吐き、それでもこの世界でしか生きられない、彼らの生きざまから目が離せない」kinokuniya.co.jp+1cdjapan.co.jp+1
「テンポのいい文章と展開に心すべて持っていかれた。本を開くのが楽しみで時間を忘れるほどだった」
🎬 映画もいいけどAudibleもおすすめ
原作の書籍から映画化など、様々なメディア展開がされている本作ですが、その中でも特におすすめしたいのが、オーディオブックのaudible版です。なんと語りを尾上菊之助さんなんです。歌舞伎の名門に生まれ女形をはじめ様々な 役を演じられてきた尾上菊之助さんこれ以上ない人選ではないでしょうか。
✨ まとめ
『国宝』は、吉田修一さんの作家生活20周年を飾るにふさわしい、壮大で濃密な芸道小説。侠客出自の美貌の青年が“国宝”とも呼ばれる歌舞伎役者へと上り詰めるまでの長い旅を、愛憎・栄華・夢・裏切りが入り混じったドラマとして描き切っています。その圧倒的なスケールと緻密な文化描写、そして多様なメディア展開は、現代の日本文学として一つの到達点と言えるでしょう。
歌舞伎を知らない方にもおすすめ。舞台裏の世界を体感し、作品をより深く味わいたい方はぜひ原作(上下)、オーディオ、映画といった多様なアプローチで楽しんでみてください!


