Wishbone / Jackie Mittoo
13歳からプロとして活動を始め、レゲエの名門スタジオ・ワンに招かれたのちThe Skatalitesなど様々なグループやソロ作品を通し、レゲエ・サウンドが確立する一端を担ったオルガン奏者Jackie Mittoo。
カナダに渡った彼が、当時席巻していたニュー・ソウル運動に触発され1971年に制作した内省的でソウルフルな一枚。全曲の作詞作曲も自身によるものです。
Satisfaction
いきなり心の琴線に触れる泣きのメロディ!ストリングスも美しいです。
Groovy Spirit
物憂げでメロウなオルガンがDusty SpringfieldのSpookyに近い雰囲気。
あと、イギリスのボーイズ・バンド、BlueのBest In Meのサビメロが似てる…。
Love Life
ここで初めてボーカル曲。Jackieの懐の深いボーカルもかなり良いです。
Wishbone
レゲエとソウルの美しい融合。極めてピースフルな雰囲気。
Grand Funk
クラブで使えそうなサイケデリック・ファンク。
La-La Girls & Cha-Cha Boys
可愛い雰囲気のロック・ステディ。ビール片手に踊りたくなりますね。
Dry Wine
アップテンポなソウル・インスト。流れるストリングスはまるでフィリー・ソウルです。
Love of Life
70年代のラヴァーズ・ロックといった感じ。女性コーラスも最高です。
Soul Bird
個人的にこのアルバム最大のハイライトで、シングル・カットもされた名曲。開幕のブラス・セクションからJackieのボーカルもエモーショナルで…とにかく最高!!!
レゲエが苦手だと言う女子DJに「これならどうだ?」とこの曲を聴かせたら、衝撃のあまり誇張でもなく椅子から転げ落ち一発で気に入ってました。変なテンションの子だったな…。
Steeple In The Snow
切なく美しいメロディのインスト。移住したカナダの雪の風景?
Mother Funk
こちらもピースフルな雰囲気あふれるインスト曲。後半のジャジーなトランペットがいいですね。
Right Track
Soul Birdに次ぐハイライト。Jackieの温かい歌声、エンディングのソウルフルなスキャットに胸が締め付けられます。泣ける名曲ですね。
1曲が3分前後と短いので、気が付くとあっという間に一枚聴き終わっています。インストが多いですが、退屈に感じることなく本当に全曲が最高。
ストレートなレゲエ好きからはサウンドがかけ離れすぎて(あと雰囲気重視のフリーソウル界隈に見つかったことの反発で)問題作とされているアルバムですが、門外漢の私には生涯の一枚レベルの名盤です。
オススメ度…★★★★★
ソウルフル度…★★★★★
とにかく最高…★★★★★