新進気鋭の奇才漫画家による不条理漫画の金字塔。
読者をほったらかしにする登場人物たちの理解を超えた言動のインパクトは凄まじく、本作の人気を切っ掛けに不条理漫画ブームが起こり似たような作品が大量に世に出ることになりました。
思えば80年代後半~90年代序盤は漫画に限らず、ダウンタウン松本人志のコントやテレビのCMなど、これまでとはちょっと違ったシュールな趣の表現が多くあったように思います。
同時多発的に異才が生まれる何か世間の空気や土壌があったのか、この辺り研究してる人いないかな?
ちなみに吉田戦車はドリフターズやコント55号などのお笑い番組を観て育った(以前ケンコバの配信動画にゲスト出演したときに私が質問した笑)ようです。
初めて触れたのは忘れもしない、塾へ通うバス待ち中に近所のコンビニで立ち読みしたとき。これまで経験したことのない新しすぎる展開に衝撃を受けたことを覚えています。
「な、なんだこの漫画は!?」と。以来、世間を見る私のフィルターに大きな影響を与えました。豆腐を買ったら「帰りは豆腐破壊魔に気を付けよう」と考えると日常も楽しくなりますね。
伝染るんです。連載終了後も、火星ルンバ、ぷりぷり県、学活!!つやつや担任など質の高い個性的なギャグ漫画を描き続けます。
最近の吉田戦車作品は、ちゃんとギャグに対して突っ込む役や作者のフォローがあり、「吉田戦車も大人になって丸くなったなあ」と少し寂しくもあります。