絶版で高値取引されていた茨木のり子「歳月」が文庫で刊行

亡くなってからも人気の高い詩人、茨木のり子。そんな詩人の作品の一つ「歳月」は中古でした手に入らず、数万で取引されていましたが、文庫本として岩波書店から刊行されました。

この詩集は、茨木のり子が夫・三浦安信を1975年に亡くしてから約31年間にわたり書き溜めた詩を収めたものです。生前は「照れくさいから」という理由で未発表でしたが、彼女の没後に出版されました。詩集には約40篇の詩が収録されており、夫への深い愛情や喪失の悲しみが綴られています。

詩集の中には、夫婦の性愛や日常の思い出を率直に描いた詩も含まれており、茨木のり子の詩人としての誠実さと人間味が感じられます。彼女の代表作「自分の感受性くらい」や「倚りかからず」とは異なる、柔らかくも深い感情が表現されています。

『歳月』は、愛する人を失った後の孤独や哀しみ、そしてその中で見出す希望や再生の物語とも言えるでしょう。茨木のり子の詩の世界に触れることで、読者は自らの感情や人生について深く考えるきっかけを得られるかもしれません。

歳月/岩波書店/茨木のり子

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