かつての大ヒット作『ウィル&グレイス』のクリエイターたちが再びタッグを組み、ライアン・マーフィーが製作総指揮を務める注目のドラマ『Mid-Century Modern』。2025年春にHuluで本国配信が始まり、日本ではディズニープラスで独占配信中の本作は、“選んだ家族”のかたちと、人生の再出発をユーモアたっぷりに描いた新感覚コメディです。
■ 物語:友を失い、家族が生まれる
舞台はカリフォルニア州パームスプリングス。友人の死をきっかけに、3人のゲイの親友たちが、裕福な友人の母親と共にひとつ屋根の下で暮らすことに。人生の中盤戦、もしくは後半戦にさしかかりながらも、彼らは笑いと涙と共に“新しい家族”としての関係を築いていきます。
本作は、「血のつながりではなく、心のつながりで生まれる家族」のかたちを描いた、心温まる群像劇。ひと癖あるキャラクターたちのやりとりがクセになり、見ているうちに“自分の居場所”を見つけたような気持ちになれる作品です。
■ キャスト:中年男性たちの青春を、華やかに演じる実力派
マット・ボマー(『ホワイトカラー』)が演じるのは、元フライトアテンダントで繊細な心を持つジェリー。彼の包容力と不器用さは、見る人の心をつかみます。
ネイサン・レイン(『モダン・ファミリー』)は、どこか強がりで人情深いバニー役で、笑いと切なさを同時に届けてくれます。
ネイサン・リー・グレアムが演じるアーサーは、ファッションと毒舌で場をかき回す名物キャラ。
そして伝説の女優リンダ・ラヴィンが、バニーの母・シビル役として温かくも鋭い存在感を放ちます。
■ 見どころ:古き良き“シットコム”の温もり+現代の価値観
『Mid-Century Modern』は、クラシックな3カメラ方式で撮影された、いわゆる“オールドスタイルのシットコム”。だけどその中に、LGBTQ+の視点や、中年以降の人生へのまなざし、そして「孤独を抱えた大人たちの再生」が丁寧に織り込まれています。
懐かしさと新しさが共存するスタイルは、まさにタイトル通り「ミッドセンチュリー・モダン」。ノスタルジーだけじゃ終わらない、“今”のための物語がそこにはあります。
■静かに沁みる、笑って泣ける30分
エピソードは1話20〜25分とテンポよく、笑いながら観ていたはずが、ふと涙がこぼれるような優しい時間が流れます。「ゴールデン・ガールズ」や「グレイス&フランキー」が好きな方には特に刺さるはず。
忙しい日々の合間に、ちょっと深呼吸するような気持ちで観てほしい。
そんな1本です。