Dusty In Memphis / Dusty Springfield
個人的に最も好きな女性アーティスト。
「ローリング・ストーン誌が選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第35位、You Don’t Have To Say You Love Me(この胸のときめきを)や、I Only Want to Be with You(二人だけのデート)などの世界的ヒットで有名なDusty Springfieldの名盤をご紹介。
The BeatlesやThe Rolling Stonesなどの登場で起こった60年代のブリティッシュ・インヴェイジョンの中で、先述のヒット曲と黒人に迫るソウルフルな歌唱力で人気を博した後、1968年にサザンソウルの聖地メンフィスのAmerican Sound Studioへ赴き制作された一枚。1969年発売。
プロデュースにはレーベル責任者のJerry Wexler、Arif Mardin、Tom Dowdとソウル・ミュージック界の重鎮を迎え、そこに敏腕のスタジオミュージシャン達、コーラスにはThe Sweet Inspirationsを揃えて盤石の布陣で臨みました。
Just A Little Lovin’
クラシックな雰囲気漂うポップス。後半からの盛り上がりもイイ。作曲のBarry Mannは後にBurt Bacharachの影響を受けて書いたと語ったらしく、なるほど確かにそんな雰囲気がありますね。
So Much Love
Gerry Goffin & Carole King作。Ben E Kingのカバー。
Son Of A Preacher Man
このアルバムを名盤たらしめる一曲。アルバムから先立つ形でシングルカットされ、全米10位、全英9位のヒット。
元はAretha Franklinのために作られた楽曲で、Arethaに憧れ敬愛する彼女にとって相当なプレッシャーだった模様。しかしDustyの歌唱もバックの演奏も素晴らしく、ソウルの名曲に肩を並べるホワイト・ソウル最高峰の仕上がり。後年Aretha自身もこの曲をカバーしています。
ローリングストーン誌が選ぶ「史上最高の500曲」で168位。NME「史上最高のシングル」で43位。
Don’t Forget About Me
Barbara Lewisのカバー。跳ねるリズム・アレンジとDustyの伸び伸びとした歌唱がオリジナルを凌駕しています。
Breakfast In Bed
サザン・ソウル・マナー全開のミドル・ナンバー。1988年にレゲエ・バンドUB40がカバーし全英6位のヒット。演奏が良すぎる…!
In The Land Of Make Believe
The Driftersのカバー。シタールの使い方が面白い。
しかしSon Of A Preacher Manのヒットとは裏腹にアルバムの売り上げは伸びず、私生活のトラブルなどの要因も重なり80年代にPet Shop Boysとのコラボで復活するまで彼女はしばらく第一線から退くことに。
このアルバムは後年再評価され、ローリングストーン誌が選ぶ「史上最高のアルバム500」で83位、2020年には「文化的、歴史的、品質的に重要である」として、全米録音資料登録簿に保存されることになりました。AdeleやAmy Winehouseなど、後に続く英国女性シンガーにとっても大きな指標になった一枚。
オススメ度…★★★★★
ホワイト・ソウル度…★★★★★
ハチの巣ヘア…★★★★★