Antoine Et Les Problèmes

パリ・パラリンピック開催記念!60sフレンチ・ガレージ・ロックをご紹介

Antoine Et Les Problèmes

Antoine Et Les Problèmes

1960年代にThe BeatlesやThe Rolling StonesなどのBritish Invasionに影響された世界中の若者が、「オラもジョンとポールみてぇにオナゴからキャーキャー言われてぇ!」とアマチュア・バンドを組み自宅ガレージで演奏を始め、その中のいくつかのバンドが残したレコードはガレージ・ロックと呼ばれ好事家たちの間で強い人気があります。日本ではGSという名称で知られてますね。
今回はパラリンピック開催国、フランスのガレージ・ロックをご紹介。

AntoineはソロのSSW。やさぐれたパンク味を感じるボーカル。学生時代から音楽活動を始め、早い時期から人気があったようです。
今回紹介するのは1966年発売の2枚目のアルバム。
Les Problèmesというガレージ・バンドと組んだ一枚。ことの経緯がよく分かりませんが、GS歌謡「真っ赤な太陽」における美空ひばりとブルーコメッツみたいな関係でしょうか。
Antoineの曲は最初と最後の2曲のみで、ほとんどLes Problèmesの曲が占めてます。

Contre-Elucubrations Problèmatiques

Antoine作曲。グルーヴィなイントロがBooker T. & the M.G.’s「Green Onions」を思わせ「お!」と思うが、すぐにポップなメロディに変わる。最後は謎の一同大爆笑で終わります。何が面白いのか?

Pop Jerk

The Kinks「You Really Got Me」をすんごくマイルドにした感じ。ガレージ好きなら気に入ると思う。

Dodécaphonie

なんか激しいことしようとしてるのは伝わるドタバタした演奏。

Je Ne Vois Rien

ブリブリのファズ・ギターがカッコいい。

On S’En Fout

やけに効いたエコーがやがて来るサイケ時代を感じさせます。歌詞の「Yeah Yeah」が朱里エイコの「イエ・イエ」と同じに聴こえる。あとThe Equalsの「Baby Come Back」のメロディと似てる。まあ、この時代はお互い影響し合ったんでしょう。

S’il Boude

いきなりJB風(線は細い)のソウルフルなボーカルが出てきて驚く。サウンドの要になっているブラス・セクションもソウル・ミュージックです。ノーザン・ダンサーとして使えそう。これはカッコいいですね。

Je Dis Ce Que Je Pense Et Je Vis Comme Je Veux

Antoine作曲。The Spencer Davis Group「Keep On Running」っぽいリズムのガレージ・ロック。俺は自由に生きるぜ!というありふれた内容。

この後Antoineはソロに戻り、俳優や映画監督などの仕事をこなしながら数多くのレコードをリリース。ヨットで世界一周航海をしたり現在は農場を経営したりしているようです。なんかヒッピーを思わせる生き方。
Les Problèmesは、Les Charlotsと名前を変えメンバーの入れ替えなどしながら現在も活動を続けているようです。

オススメ度…★★★☆☆
ガレージ度…★★★★☆
イエ・イエ…★★★★☆